百八十色

  • 2011/10/11(火) 14:03:10

大津祭では必ず、おてきちが立ち寄る曳山がある。
それは、小倉遊亀画伯が80歳の時に第60回院展へ出品された
【霽れゆく(はれゆく)】 という、迫力に満ちたインパクトのある赤富士が描かれた
巨大な見送り幕を見たくて、この殺生石山へいつも気持ちの方が先に進んでいく。

遊亀さんの絵は本当に女性の域を超えて、観音菩薩に近いような。。。
そんな偉大な存在感を、一度もお出逢いした事がないにも関わらず
その作品から息吹のようなものを感じるのが、いつも不思議に思う・・・。
だから、この見送り幕を見るたびに、この幕に託された遊亀さんの地元への
熱い想いのようなものが、強く伝わってくるからパワーを貰うんだろうな、と思う。 

        

それに、この見送り幕は西陣手織本綴錦織で表地は施されているために
絵画と違って重厚感があり、その染め糸は何と180色の色分けによって
約1年がかりで精魂を込めて、完成されられた幕だそうです・・・。

この図柄の採用に当たっては、遊亀画伯が画家として新しい画境を
見出された記念すべき力作で、右下部分の濃紺の色合いは特に満足のいく
色合いを出すのに、大変ご苦労されたそうです。
そして遊亀画伯自らが、この作品をご推薦して下さったそうですよ 

        

そして、この殺生石山 (せっしょうせきざん) の曳山の由来は能楽 「殺生石」 から
取り入れられていて、そのストーリーをからくりで披露されるのですが
その中に、狸の面ではなく、こちらは狐の面が登場するんだじょ〜!!
だから、こちらの山の提灯にはキツネが描かれています。
でも、そういえば。。。狸山の提灯はタヌキじゃなかったなぁ・・・。 

他にも殺生石山が装飾面で最も美術的と賞されているのが、この天井絵
なんとあの四条派の絵師、松村景文が描いたと言われる草花で。。。
写生に励まれ、花鳥画が得意だったと言われているだけあって
40区画に描かれし、それぞれの異なった草花たちは
どれも色褪せることなく、今年も変わらず生き生きとした姿を見せてくれている。
だけど画家ってスゴイよなぁ・・・。
絵筆だけで人の心を惹き付けるんだから・・・。
いや、きっともしかしたら鼻血も絵具の一部?だったのかも知れないじょ

             

これは宵宮の朝に撮った殺生石山の、見送り幕を掛ける前の写真で
この上から本祭りに見送り幕である 【霽れゆく】 に着替えて巡行されます。
雨上がりの富士山の姿を描いたと言われる、この見送り幕・・・。
この先も昭和期の文化財として、後世に伝承されてゆく事でしょう。